星のリズムと私の命
寒空の朝、人々が早足で行き交う
電柱や家々はじっと太陽に照らされ
わからないほどゆっくりと
星のリズムを奏でているらしい
私が歩くと簡単に
ガラスの反射がするっと滑った
もう出会うことのない私たちへ
もう出会うことのない私たちへ
いつかこの悲しみを、また思い出せるように
---
確かに海辺で笑い合っているのは私たちなんだけど
写真をみても思い出せない日がくるなんて
思いもしなかった
辛いとき、楽しかったことをしっかりと
思い出せれば少しは楽になるのかな
気がつけば、思い出せない事の方がほとんど
あの時の私たちはまるで別の人みたい
何をしたかなんてほとんど忘れちゃったけど
ただあなたの優しい声と微笑みだけは
今はまだ、ちゃんと憶えているよ
友達
若さの花が閉じゆく
身体を隠す長いスカートが
友との微笑みに柔らかく
そよいでいたのは二十歳ごろ
あなたの悩み
しょえないけれど無くせないけど
たまになら
ご飯奢って愚痴聞いて
あなたの好きなトコ
聞き飽きるくらい伝える事
それくらいなら
できたんだけどね
表情
顔 顔 顔
すれ違う人々に表情が張り付いている
ひとり歩く人々に笑うものはおらず
繕わない本来の孤独な表情が溢れている
顔 顔 顔
見知らぬ人々の本心だけが赤裸々に
通り過ぎていく
大丈夫
「大丈夫。」って
あなたがいうのは
あなたは自分を信じられるから
「大丈夫?」って
私が聞かれたかったのは
私は子供だったから
---
いつも自分に言い聞かせるよう
「大丈夫。」と言ってくれた優しさを
私は知らなかった
子供の私は
同じ気持ちじゃないんだねと
駄々こねた
美しさ
孤独の中に
ふいに現れ
呆然と私を奪い
ふと消える
1人で見つめた光の中に
2人で繋いだ手の
蒸し暑さと言葉の隙間から
口を開くと
目線があうと
すぐ消えた
雑感
整えた髪の背中に折れた襟
いつ気付くかな母の残り香
2024.1.9